中学の時は中学の時、今は今で前のことはもう過去だって、
そう割り切ってきたはずだった。
あいつは、確かに凄いピッチャーだった。今でもそう思う。
高校に入って、三橋と出会うなんて思ってもみなかったから。
今はもう、三橋を手放す気はこれっぽっちもない。
最高のピッチャー、最高のチームメイト、これ以上何もいらない。




部活が終わったあと、久々に登校してきた三橋と二人で今後の練習法などを話し合っていた。
三橋は先週、大雨の中一人で投げきった試合の夜に熱を出して、それから何日か学校を欠席していた。
そんなに必死な三橋を見ると、(体調管理できてない、とかじゃなくて)すごくすごく、
愛しく、大事に、大切にしてやりたいとかって。そんなふうに思ってしまう。

「・・・俺さあ・・・おまえ好きだわ・・・」
「へ?!!」

ギョッとして目を見開く三橋を見て、あーやべ声に出てたと気付く。
キョドらせるつもりはなかった。

「あー・・わり。違、」
「オオオ、オレも・・・!好き!」

俺の言葉をさえぎるように、それでも真顔で言葉をつむぐ三橋にびっくりした。
一方通行じゃない。両方通行の。





* * * * * * * * *






「おまえさあ・・・一体いつなんなったら目ェ閉じんの」
「えぇっ!あ!ごめん!!!」
「やー・・・べつにいいけど・・・」

気になってちらと目を開くと、眉間に皺を寄せてきつく目をつむる三橋が見える。
うわこいつひでえカオ、とも思ったけど、そんなこともバカみたいに愛しくて。
でも、その必死すぎる顔があんまりにもひどかったのでつい肩を揺らして噴出してしまう。
さすがにバレただろう。

「あ、阿部くん・・・?」
訝しげな三橋に適当に相槌を打つのも悪いと思って、いや、あまりにもお前が可愛いから…
とそれらしく視線を落とした。さすがにやりすぎか?でもこのくらいでいい。
三橋への想いは、ちょっとやりすぎくらいでいい。

反応がなくてつい顔を上げると、無言でぽけーっと俺を見つめる三橋と目が合った。
熱にうかされたみたいに真っ赤な顔で、なんだかこっちまでつられて顔に熱が集まってくる。

「あの・・・」
「ん?」
「えっと・・・阿部くんの、ほうがかわいい・・・と思う・・・!」
「ブッ」

何を言い出すかと思えば、ほんとにコイツはおかしい。思わず張っていた肩の力がどっと
抜けて、なんだか真剣に向かい合っていたのがアホらしくなってしまった。

「褒めてんのかわかんねーけど、ありがと。」
「う、うん!」




肩に手をやって軽く引き寄せると、最高潮に頬を染めた三橋もさすがに目を閉じたのが見えた。
あーあ、部室で何やってんだろう、と思いながら。
想いを、重ねた。



『両方通行』



丁度去年の今頃にいただいたキリリク・・です・・・。
アベミハで告白、両想いでチュー的なリクだったと記憶しております。怪しい。超怪しい。
全然達成できてない気がする。そもそも私には到底無理なリクでした・・・。アベミハは原作が一番いいアベミハですよね!!!
いらねぇえええって書いた自分で思うんですが、よろしければリク下さったふくさまへ。本当にありがとうございました!
ふくさんいらっしゃらなかったらここまで続けてこれなかったと思います。ありがとうございます。
読んで下さった方、どうもありがとうございました!