「やばい・・・暑いっすねぇー・・・・―――」
「うえー・・・・・7月でこんな暑いって、8月んなったらどうなんだよ〜・・・」
「準太、オマエ陽射しに強くないんだから注意しとけ?少しでも具合悪くなったら遠慮なく言えよ。」
「よ、弱くもないと思います、けど・・・ハーイ。」
「そうだよ準さん!準さんはホラ、アレだよ!日にも焼けやすいし!!」
「うっせ、おまえはひっこんでろ、つーか誰が見てもお前のが白いっつーの。」
「えぇ〜!」
「ハイハイ、メオトバッテリーさんに絡んじゃいけませんよ、部外者はひっこんでましょうね〜」
「えぇえ〜!慎吾サン、そんなこと言ってほんとは羨ま・・・むぐ、」


この暑いのに慎吾サンに羽交い絞めにされて、一瞬息が詰まる。
ちょっと・・・!汗汗!お互い汗かいてんだから!肌くっつけないで・・・!


真夏の正午の屋外、しかも日除けがない、最高のコンディションだ。いろんな意味で。
例年、必ず越えなくてはならない避けては通れないものとはわかっているけど、やっぱりいざこの季節を迎えるとひどく滅入るし、
更に夏大を控えてがむしゃらに叫びだしそうになるのも混ざって、気持ちがあふれそうになる。


「お前も成長したから、さすがに運べなくなったかもしれないなぁ」
「・・・!和さん今なんて・・・?」
「だってオマエ、中1の夏に顔真っ赤にしてると思ったらいきなり無言でぶっ倒れただろ?」

あん時はびっくりして血の気が引いたな〜とのんきに笑う和さんと対照的に、
みるみるうちに準さんの顔が赤く赤ーくなってく。口もパクパクしちゃって、まるで酸欠の魚みたいだ。
俺の横で慎吾サンが、ありゃー派手な姫だっこだったなぁ、ってニヤニヤしてる。
おれ、そんなの知らないよ。・・・しょうがないけど。


「え!あん時のこと覚えて・・・?!!」
「ハハ、そりゃまぁ。バッテリーだし?おまえのことなら何でも覚えてるぞ」

仮入のときなんておまえ――・・・と懐かしそうに回想する和さんと、ひたすら頬を染めて和さんに何も反論できないでいる準さん。
まわりで地雷を踏まないように恐る恐る話を聞いていた部員たちも、更にエスカレートしそうな勢いのメオトバッテリーを見て、一様に
グッタリしたような顔で方々に散っていく。そりゃそうだ。
こんな暑い日に、こんなに暑苦しい人たちのイチャつきぶりを見てたら日射病のほかに胸焼けまでもしてきそうだ。


(・・・でも、中一の準さんかぁ・・・)
俺なんて、小6だったんじゃん。超若いじゃん。なんて思う。


「でも、高校上がってからは・・・」
「うわー・・・や、やめてくださいよー!何かオレ、恥ずかしいことしかしてないし!!それ以上言わないでください・・・!!」
「別に恥ずかしいことなんてしてなくないか?」
「つーか和さんが言うと、大したことじゃなくてもなんかエロい・・・!」


和さんといるときの準さんを知らない人たちは、準さんのこんなに素直な表情を見てびっくりするんじゃないだろうか。
(準さん、はっきり言ってここまではっちゃけた顔、和さん以外に向けたことないんじゃないの。)
好きとか恋愛感情が絡むわけじゃないけど、何となくふぅーん、と思ってよそを向く。




そんな二人は、なんだかおれの知らない遠い世界の人たちみたいでちょっと嫉妬した。
だって、一年のときの準さんを、おれは知らない。過去の準さんの球を、捕ることはできなかった。
逆に、三年のときの準さんを、和さんは知らない。
でも準さんだって、再び進級して校舎の離れてしまった上級生の和さんを知らない。



・・・あ、そっか。おれたちは、もうずっと、一生このままなんだ。
ほんのひとつだけの年齢差が、近づいたと思ったら、また遠ざける。ただし物理的な問題なだけで、
中学と高校ってだけだけど。校舎も違うし、確かに練習も一緒にできなかったけど・・・気持ちの距離は関係ないか。


そう思うとちょっとだけ嫉妬してしまった、器量の狭い自分がとても恥ずかしくて、
無意識に胸のクロスに触れて口のなかだけで和さんごめんなさい、て謝った。
(和さん、ごめんなさい。おれ、和さんのことも、死ぬほど好きで尊敬してるんです。)
でも、昔の準さんの球を受けてみたかったことも確か。
ていうか、二人とも同じくらいすっげえ大事で、比べられないよ。


(て!やばいごめんばあちゃん!!今おれ、よくないこと考えちゃったよ。
ごめんねごめんね・・・今のなかったコトにして!)




すると、そんな俺を見ていたらしい慎吾サンと目が合って、視線に気付いた彼は気まずげに目をそらした。




スターティング・オーバー





恐ろしいことに続きます・・・。もう打ってあるのでアプするだけー。
後半は島利色が強くなっておりまs・・・ってここに書いても意味無いか(笑)
なんか我ながら捏造しかなくてこう・・・気持ち悪いなぁ!でも桐青だいすき!

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